あがらない電話応対~ビジネスパーソンのためのあがり症克服法Part.2~

iStock-495215294
一般社団法人あがり症克服協会代表理事の鳥谷朝代です。

前回の第1回は、「あがり症とは?」というところと、ビジネスパーソンの基本として「あがらない自己紹介」についてそのメソッドをお伝えさせていただきました。

第2回の今回は、「電話応対」の苦手克服法について取り上げます。 
1462image
LEC専任講師 鳥谷朝代(とりたに あさよ) 氏
一般社団法人あがり症克服協会理事長。株式会社スピーチ塾 代表取締役。

中学1年の国語の本読みであがり症を自覚。以来17年間、苦しみ続ける。名古屋市職員(市長秘書等)を経てあがり症克服専門家となる。

話し方はスキルであって、生まれつき上手・下手などありません。「あがり症」を「誰もが抱える悩みのひとつ」と捉え、「水泳やパソコンを習うように、あがり症を克服しよう」の理念に基づき、当協会は発足しました。悩んでも、あがりは克服できない。悩む時間がもったいない!
気は優しくて男前の私とともに、楽しくあがりを克服しましょう♪

◆ホームページ https://agarishow.or.jp/
◆ガイダンス https://youtu.be/HoNBr7CmSr0

電話対応で緊張する原因

最近は、メールに加えてLINEなど各種SNSでのやりとりが発達しているため、学生時代のうちに電話に触れる機会が少なくなっています。電話を使うとしてもスマホなど個人携帯電話が主流ですので、バイトなどで利用していない限り、共有の電話を取る機会はかなり経験がない方が多いとされています。

しかし、社会人になるとそうとも言っていられません。

メールやチャットなどのインフラが整備されている会社も増えてきていますが、まだまだ電話でやり取りする機会が多いのが実情。この「電話応対」はあがり症の方、特に学生でこれから社会人になる人、なりたての人にとっては越えなければならないハードルの一つです。

また、社会人経験はあっても、電話応対が苦手なあがり症の方はいらっしゃいます。まわりがシーンとしていると自分の話を聞かれているんじゃないか、注目を浴びているのではないかと過敏になり、声が震えたり、心臓がひどくドキドキしたり、会社名を上手く言えなかったり…。あがり症の方が陥ってしまうケースです。
電話対応が苦痛という人のために、その対処法を整理してお伝えします。
まず、電話で緊張する原因としては、おもに次の3点が挙げられます。 

1.電話特有の受け答えを知らない
2.まわりに会話を聞かれていると感じる
3.相手の表情が見えないことで不安になる

これらが複合的に絡んでくると、さらに緊張感が増してきます。
ひとつずつ、原因と対処法を見ていきましょう。 

1.電話特有の受け答えを知らない

電話(焦る)
友人同士の電話と異なる点として、ビジネスシーンでの電話の受け答えにはマナーやルールがあります。かしこまった場面できちんとした受け答えをしなければいけないのに、その方法が分からなければ不安のタネとなるのは当然です。
例としていくつか基本的な言葉遣いを紹介します。 

電話に出る

×「もしもし、〇〇株式会社ですが」
〇「はい、〇〇株式会社でございます」

仕事上の電話では「もしもし」は使いません。なお、「はい」は「おはようございます」「お世話になっております」などに変えてもOKです。 
相手の名前を確認する
 相手が名乗った後は、「〇〇様ですね」と繰り返し声に出して確認しましょう。
誰かに取り次ぐ際も相手の名前は必須です。最初に確認しておけば、万が一途中で電話が切れてもこちらから折り返して呼び出していただくこともできるので安心につながります。 
他者に取り次ぐ
次のように応対するのがおススメです。
「部長の〇〇でございますね。ただいま代わりますので少々お待ちください」
適切な言葉遣いは相手に安心してもらうためにも、きちんと使えるようにしておきましょう。 
応対の仕方が分からない場合
「想定外のやりとりが発生したらどうしよう」という不安な気持ちがあると、電話に出る前から緊張感が増してきます。自分だけでは回答できないような問い合わせが来た場合の受け答えをきちんとできるように準備しておけば大丈夫。
「申し訳ございません。今この場で責任のある返答ができかねますので、確認のうえ折り返し連絡させていただきます」のように応対しましょう。

適切な言葉遣いは、電話上の空気を穏やかにするだけでなく、あなたや会社への信頼にも寄与します。 

2.まわりに会話を聞かれていると感じる

聞かれてる不安
電話中の声を聞かれたくないからと、小声で話そうとするのは逆効果です。かえって、喉や身体が縮こまり、声の震えの原因となります。必要以上に大きな声である必要はありませんが、お腹からしっかりと声を出す腹式発声で話すようにしましょう。
「聞かれている」という意識があると緊張が増してくるので、電話の本来の目的に目を向けます。
いえ、電話なので、「耳」を傾けます。

かかってくる電話の本来の目的とは何でしょうか?

それは、電話かけてきた方が答え(目的)を持っています。受話器をヘッドフォンに見立てて、相手の声を集中して聞きましょう。目的が分かったら、納得いただける回答をすることに一生懸命になりましょう。

電話は一対一のやりとりです。大勢の人前でのスピーチと違って、一方通行ではなくて会話のやりとりとなります。

もし職場が静まり返っていても「電話の相手は必ず反応してくれる」と考えることで、安心感につなげましょう。 

3.相手の表情が見えないことで不安になる

表情がわからない
人は、情報の半分以上を視覚情報から得ると言われています。ところが電話では、その半分以上の情報が入ってこないわけですから、不安に思い緊張につながるのは当然です。そういうときは、相手も同じように、こちらの表情が見えず不安になっていると考えましょう。

実は声にも「表情」があります。

まずは自分から、「声の表情」を意識して、柔らかい空気を伝えるようにしましょう。方法は簡単、口角を上げて、笑顔で会話をするだけです。

電話は顔が見えないからと、口先だけで話をしていませんか?
そうすると「声の表情」も無表情もしくは強張った表情として相手に伝わってしまいます。電話でも、目の前に相手がいると思って笑顔で応対しましょう。相手の不安や緊張感が和らぐと、自分自身もまた和らぎます。 

電話応対で大切なのは完璧な受け答えではなく、誠実さが相手に伝わるかどうかです。
相手の役に立つことに懸命になれば、おのずと電話はただのコミュニケーションツールだと思えるようになってきます。
今回のコラムを参考に少しずつでも取り組んでみてください。 
笑顔で電話