目標がもたらす心理的効果と目標達成のコツ~目標が人生を変える~

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一般社団法人日本経営心理士協会代表理事の藤田です。

新たな年が始まる、新たな仕事が始まる、新たな生活が始まる。
そういったタイミングで目標を決める方もいらっしゃるでしょう。

「あなたの目標は何ですか?」と聞かれた時、あなたはさっと答えられるでしょうか。
答えられないという方はもしかすると非常にもったいない状況にあるかもしれません。

今回は目標が持つ力についてお話ししたいと思います。 
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藤田耕司(ふじた こうじ) 氏
(社)日本経営心理士協会代表理事、経営心理士、公認会計士、税理士
年商300億円超の企業から個人事業主まで、のべ1,200件以上の経営相談を受け、労務問題から営業、マーケティングなど、幅広い分野で人間心理と数字の両面から経営改善を行う。
その経営相談事例を基に、ビジネスで成功を再現し、失敗を回避する手法を経営心理学として体系化することで経営指導の成果を大きく高める。

また、経営心理学を体系的に学び、「経営心理士」の資格を取得するための経営心理士講座を実施。その講座の成果が口コミで広がり、日経新聞をはじめ複数のメディアから取材を受ける。金融庁や一般企業、税理士会等の士業団体などでの研修活動も行い、年間の講演回数は250回を超える。

◆藤田講師の詳細なプロフィール
◆藤田講師が担当している『LEC 経営心理士プレセミナー』
https://www.lec-jp.com/keieishinri/

目標が言えない人間は相手にしない

「あなたの目標は何ですか?」と聞かれた時、さっと答えられるかどうかは、あなたの日々の行動や成長の速度を大きく左右します。

流れ星が消えるまでに願い事を言うことができれば願いは叶うといわれています。
これは流れ星が消えるまでのほんの一瞬の間でも、さっと願い事が言えるぐらいに願い事を明確に持っているから叶うのだと話す方もいます。

ある経営者の方がこんなことを話されていました。
「目標を聞かれてさっと答えられない人間は相手にしない。目標がさっと言えない人間は成長の遅い人間だ。成長の遅い人間を相手にしているほど暇ではない」。

実は目標を持つことは、人間の成長と大きく関係しています。
今回は、それがなぜなのかについてお話ししたいと思います。
流れ星

脳は発狂しないように情報の取捨選択を行う 

人間は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感から常に膨大な情報をインプットし続けています。

今、この記事を読んでいる時、文章という視覚情報が意識にあがっているでしょう。
ただ、その視覚情報以外にも膨大な量の情報をインプットしています。
例えば、触覚情報として、肌着が肌に触れている感覚、足の裏が靴の底についている感覚、椅子に座っている感覚などをインプットし続けています。あるいは、聴覚情報として、空調の音、乗り物が走る音、店内のBGMや話し声など。

このように五感を通じて膨大な情報をインプットし続けていますが、これらの情報の全てを同時に同じレベルで意識にあげると、人は発狂するといわれています。
そうならないように、人間の脳は脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という部位で、五感情報の取捨選択を行い、重要な情報と重要ではない情報との選別をしています。
そして、重要だと判断された情報は意識にあげ、重要ではないと判断された情報はインプットしてもスルーされ、意識にあげないようにしています。 

目標が一日の行動を変える

この脳幹網様体賦活系が重要だと判断する情報、それは興味・関心の高い情報です。
例えば、ノート型PCを買おうとしている時、ノート型PCに関する情報は重要情報となり、他の人が使っているノート型PCが目につきやすくなります。同様に、携帯電話を買い替えようとしている時は、携帯電話のCMが目に留まりやすくなったり、他の人の携帯電話が目につくようになったりします。

つまり、人は目標を持つと、その目標の達成に有用な情報に強い関心を持つようになるため、そういった情報を脳幹網様体賦活系が優先的に意識にあげるようになるため、今までは目に入っていてもスルーしていた情報が意識に上がり、目につくようになるのです。

そのため、同じ一日を過ごしても目標を持つか持たないかで意識にあがる情報が違ってきます。
意識にあがる情報が違えば、その後の行動も異なるでしょう。
目標を持つとその達成のために必要な情報が優先的に意識にあげられ、目標の実現・達成に向けて行動が変化していくことになり、成長も早くなります。 

目標を達成する確率を上げるコツ

目標を立てても、その実現に向けてモチベーションを維持できるかどうか分からないし、実現できなければ目標を立てる意味がない。
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、目標は目標達成までのステップを細分化し、小さな目標の集合体に変換することで達成の可能性は大きく上がります

人は目標を達成するとドーパミンという脳内物質が分泌され、「快」の刺激を味わいます。
この快の刺激は中毒性を持つため、一度、快の刺激を味わうと、またその刺激を味わおうとします。
これがモチベーションの源泉となります。

目標を細分化して目標を達成しやすくすることで、このドーパミンが分泌され、快の刺激を味わう機会を増やすことができます。
するとその都度また快の刺激を味わいたいと思うようになり、これが次の目標に取り組むモチベーションになります。
このようにしてこまめに目標達成を繰り返し、その都度快の刺激を味わい、脳のご機嫌を取りながら目標達成までのステップを進めていくことで、目標達成の可能性を大きく上げることができます。

また、目標達成によって成功体験が得られます。
その成功体験を積み重ねることで、「自分は目標を設定すれば達成できる人間だ」という自己認識を持つようになります。この自己認識が自信につながります。
その自信の状況を見ながら、設定する目標のハードルを少しずつ上げていくことでより大きな目標も達成できるようになります。 
成功体験の積み重ね

楽しみながら目標を達成する人

「よっしゃ!よっしゃ!」
ことあるごとにこう呟き、にこにこしながら仕事をする社長と仕事をご一緒させていただいたことがあります。
「いいですねえ、その掛け声」と伝えるとこんな話をしてくれました。

「ほんの些細なことでもうまくいったら、よっしゃ!よっしゃ!って言うようにすると、だんだんと嬉しくなってくるんです。そうやって呟きながら楽しく仕事をやってると、実際、会社の業績もいいんですよ」

この社長は「よっしゃ!」と言葉に出すことで目標達成の瞬間を認識し、快の刺激を味わい、モチベーションを上げています。
一日何度も小さな成功体験をし、快の刺激を味わい、その度にモチベーションを上げていれば仕事も楽しくなるでしょう。
こうやって楽しみながら目標を達成している人もいらっしゃいます。 

一つの目標が日本を変えた、吉田松陰の志

夢なき者に理想なし。
理想なき者に計画なし。
計画なき者に実行なし。
実行なき者に成功なし。
故に、夢なき者に成功なし。

これは幕末の志士、吉田松陰の言葉です。
幕末において日本を救うという目標のために全力で生き抜き、29歳の若さでこの世を去ることになりましたが、多くの志士たちにその目標は受け継がれました。
一つの目標が多くの人を動かし、国を動かし、時代を動かしました。
それほどに目標が人間に与える影響は偉大なものです。  

あなたは今、どのような目標を抱いているでしょうか。
特に目標がなければ、脳の力を活用するためにも目標を持ってみてはいかがでしょうか。
また、目標がある人は、そのレベルをもう1ランク上に上げてみるのもよいでしょう。
目標を細分化して小さな成功体験を積み重ねれば、より大きな夢や目標にもチャレンジできます。

まずは自分の可能性をみくびることなく目標を抱いてみましょう。
その目標があなたの可能性を更に引き上げてくれます。 
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